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カテゴリ:気持ちのいい場所( 27 )

梅雨の台北に遊ぶ

 5月16日から5泊6日で台北に行った。ほぼ20年ぶりだ。20年前に行った時は台北で暮らし始めたOさんと取材がてらに台湾東海岸の花蓮や森坂を訪ね、日帝時代に林業で栄えた村や町を見て回った。あれから20年、今回の同行はA画伯と旅慣れた建築家のNさん。ご無沙汰しているOさんに会いたいという以外、これといった具体的な目的のない2人と、すこしは野鳥を見たいという私は、雨期のまっただ中の台北松山空港に降り立った。空港までOさんは迎えに来てくれていたが、私が彼の肩を叩くまで私に気付かなかった。20年はそれほど私の姿を変えていたことに私は少し戸惑った。
 台北に着いて、地下鉄網MRTの快適さにまず驚く。10年ほど前に完成したというMRTは8本の路線に色分けされ、台北市内と近郊を結んでおり、カードにチャージをしておけば市内の移動もコンビニも買い物もキャッシュレスである。MRTの構内は日本の継ぎ接ぎだらけで移動距離と階段の多いインフラと違い、どの駅も見通しよく、迷うことがない。車内も広告がべたべたと貼られおらず清潔である。大橋頭に降りて、淡水河沿岸の問屋街である迪化街を散歩する。
 翌日は朝から雨。台北の北にある新北投温泉に行き、地元の人も日常利用しているらしい瀧之湯に浸かる。洗い場と浴槽がゾーン分けされていて、浴槽ゾーンで手ぬぐいで前を隠しているのは日本人だけ。ゾーンが分かれているのは台湾の人の清潔感の表れなのだろう。洗い場にはいくつもの水筒が並び、梁にぶら下がって体を伸ばしている人もいる。
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 夜、寧夏夜市でOさんと待ち合わせる。A画伯が屋台で奇妙な形をしたものを買う。黒くて両側に角が生えている。帰国して調べてみると、「菱角、リンジャオ」と台湾では言うと書かれていた。これが栗のようにホクホクして旨い。
 18日、探鳥を期待して新店までMRTで行き、満員のバスに揺られて烏来に行く。烏来は台北の南30キロほどの処にある標高およそ1000mの渓谷。タイヤル族の民俗博物館を覗いた後、小さなトロッコに乗って、烏来瀑布の見上げる地点まで、さらにロープウェーで雲仙楽園まで行く。その途中、渓谷の切り立った崖を背景に、2羽の鳥が飛んでいくのが見えた。台湾の国鳥、ヤマムスメだった。ロープウェーを降り立った頃から激しい雨が降り出す。

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 19日、午後雙連駅でOさんと合流、大稲珵碼頭海岸から淡水河を下り、河口の淡水まで船に乗る。出船するまでの小一時間、日陰を求めて、公園の木の下で時間をつぶす。公園ではカラオケセットと椅子を持ち込んで、数人のおじさん、おばさんが演歌を熱唱していた。船上は風があって気持ちがいい。川幅はかなりあるのだが、水深が浅く、水面に浮かんだブイを頼りに観光船は慎重に進む。川岸にゴイサギ、アマサギ、コサギ、それになんとクロトキ、川面にはハジロクロハラアジサシが飛ぶ。
 20日、今日こそは探鳥に日に当てようと早朝に起きるが、予報は午前中から雨。諦めて2人と一緒に日帝時代のタバコ工場跡をリメイクした松山文創園区の誠品生活書店に行く。夕方、Oさんと待ち合わせて、彼が週に何度も通ったことがあるという台湾素食の店に入る。台湾で素食とは菜食の意味で、肉、卵、乳製品が使われていない。トレーに盛ったおかずを秤で測ってもらい、料金を払うシステム。Oさんは我々の前を先に姿勢良く健脚で歩くが、これも他国で1人生活を全うするための彼の日々の素食生活の賜なのかもしれない。Oさんと別れて、彼と私が元気なうちにまた台湾に来ようと思った。
 今回の旅行は息のつまりそうな時代の閉塞した日本からたった6日だけ飛び出したのであったが、20年の間の台湾の変わりようと、またそれでも変わらない台湾の人たちのwell being、そして日本の変わりようにも気付いた旅だった。

写真上:新北投温泉瀧之湯(撮影:Nさん)、写真中:寧夏夜市、写真下:烏来(撮影:Nさん)

by komachi-memo2 | 2019-06-01 12:52 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

戸隠のニホンザル

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午後、鳥の気配が消えた薄曇りの森の中を歩いていると、「あ! サル」と仲間の誰かがつぶやいた。見渡すと周囲に1頭、2頭、4頭と、右も左も行く手にもニホンザルがいる。みんな木々の3〜4mほどの高さの枝の上に上手に腰を落ちつかせている。食後のお休み時間なのだろうか。仲間の毛繕いをしているもの、空を見上げてボーとしているもの、人間と目があっても我関せず、くつろいでいる。
クマザサの上を風が通り、木漏れ日がキラキラと散乱し、黄金色の葉がサラサラと音を立てて乱舞する。言葉のないひととき。一時ではあっても、彼らとこの地球で同じ時間を生きていると感じられる至福。ああ、いいなあ。
by komachi-memo2 | 2016-10-27 19:55 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

コクサギの花・アケビの花

4月上旬、冬鳥の多くは北に移動し、夏鳥の訪れまでまだ少し間がある。昨日、マイフィールドの林道を歩くと、友人のSさん、Iさん夫妻にばったり出くわした。3人とも桜見の喧噪を避けて静かな林道を好んで歩くのは、私と似ている。「オオルリ、聞きました?」とSさん。「いやまだ」と私。「良かった!」とSさん。オオルリの初認がどちらが早いか、昨年も同じような会話をしたような気がする。ビロードツリアブの飛翔写真を見せてもらい、私は一人林道の奥へ。この時期の林道を歩く楽しみは、週替わりに変化する野草や樹木を見ることだ。林道に入ると、いい香りが一面に漂っている。ミカン科のコクサギのつやつやとした若葉の芳香だ。コクサギの葉を親指と人差し指でこすって鼻に近づけると、バニラのような香りがする。私の林道歩きの密やかな楽しみ。
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コクサギの花
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アケビの花
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日向ではニリンソウが咲き出していた。

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by komachi-memo2 | 2014-04-07 21:39 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

元旦は荒海

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新年おめでとうございます。昨年はなかなかエントリーできず、開店休業状態が続きましたが、今年は何とか継続してと考えております。反省、反省。今年もよろしくお願いします。
元旦の今日、葉山は南の強風が終日吹いております。昼前に長者が崎にカンムリカイツブリはいるかいなと、見に行ったのですが、この荒れ模様。鳥は何にもいません。朝日に光る荒れた海が美しく、風によろけながら何枚もシャッターを切りました。
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by komachi-memo2 | 2014-01-01 18:11 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

ホタルカズラ

先日、オオルリを見に上った尾根に、ホタルカズラが咲いていた。ブルーの花は他でも見るが、白花は初めて。
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写真をクリックするとFlickrに移動します。
by komachi-memo2 | 2013-05-02 09:30 | 気持ちのいい場所 | Comments(2)

住まいのポケットパーク

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エコリノベーションの書籍の編集作業が佳境に入っている。事例取材も先週の富田・林邸のマルシェの取材が最後。500平方メートルの敷地に1972年にセキスイハイムのM1のフレームユニットを組合わせてつくられたこの住宅は、度々のリノベーションがくり返され、パテ屋さんと「縁側」というレストランが追加され、大きく育ったコナラやイチョウ、桜に覆われたこの地は、地域に開かれたポケットパークになっている。先週は千葉から女子農家の人たちがやってきて、庭で新鮮な野菜を売り、その野菜を使って、料理研究家の上野万梨子さんがポタージュの試食会もやっていた。家を地域に開くとはこういうことだという見本のような家。富田・林邸のように大きな敷地でなくても、ベンチ一つでも花壇一つでも地域に開かれていき、それが点から線になっていけば、ずいぶん住まいの意識が変わっていくだろうと思う。リノベーションが住まいを変えるだけではなく、私たちの暮らしの意識や町を変えていく力になっていけばいいと思う。
by komachi-memo2 | 2013-05-01 12:02 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

眺望と活断層

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子産石から長者が崎までの海を見下ろす斜面は葉山・秋谷周辺では一番、海の眺望がきれいな場所で、私のお気に入りの散歩コースです。大島を天気の良い日には間近に見ることができます。ここは地滑りの多発地帯でこれまで古くからある民家の他は、あまり住宅が建てられることのなかった場所です。じつは三浦半島は活断層のとても多い場所で、衣笠断層、北武断層、武山断層という大きな活断層が三浦半島の根元と先っぽをちょん切るように横たわっています。いわば葉山は活断層や地滑り地帯の上にあるような町なのです。これまで家が建たなかった理由には宅地には向かないということで残された緑地や畑地が多く含まれていたはずなのですが、それを全く無視した土地開発と住宅建設が町のあらゆる場所で進行しています。散歩コースにもどこかの建築家が設計した瀟洒な住宅がいくつも建ち、海の眺望を独り占めするようになってきました。大地震が来て、人災が起こらないことを祈るばかりです。
by komachi-memo2 | 2011-03-08 11:40 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

今年初めてのタチツボスミレ

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昨年11月に国立に住む母が不調になって以来、介護と仕事の板挟みでBLOGをお休みしていました。母は86歳、気丈で一人暮らしをしてきましたが、やはり歳には勝てません。弟と交代で介護に通う日々を続けています。人は壊れるときには一気に壊れていくようで、いったい来週はどうなるのだろうと思う時期もありましたが、ようやく安定してきました。BLOGもポツポツ再開です。仕事の合間、一息入れようと、カメラを持って外に出ました。クヌギやコナラの落ち葉を踏んで尾根道を登ること5分、もしやと思いましたが、やはり咲いていました。今年初めて見るタチツボスミレです。
by komachi-memo2 | 2011-02-02 19:14 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)

ニリンソウ

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春の野草の花が次々に咲くこの時期、家の近所で一番目にするのがニリンソウだ。少し湿り気のある道の脇の斜面や林縁の木陰で白い花を目にする。一昨日、山歩きの帰路に葉山の水源地でニリンソウの大きな群落を見た。フェンスで囲われていて人が踏み込まないためだろう。一つの株から白い花が2輪か3輪咲く。一つが花びらを広げていてももう一輪は自分の開花の番を待っているかのように花の開花は微妙に時期がずれている。木陰で風を感じながらニリンソウを見ていると、山歩きの疲れも癒される。
by komachi-memo2 | 2010-04-13 10:05 | 気持ちのいい場所 | Comments(2)

誰もいない源流

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週末に下山川の源流を歩きました。流れに沿って人の踏み分けた道はあるにはあるのですが、最近は使われず藪こぎをしなければなりませんし、橋は朽ちて壊れたままです。ですから半日、遡行しても誰とも出会うことがありません。今時、家から歩いていけるところで、こんな贅沢な時間を過ごすことができる場所は、私が住む葉山でもめったにありません。川の中をザブザブと歩いていくと、川のせせらぎの他に聞こえるのはメジロ、ウグイスやオオルリの囀り、トンボの羽音。足下から驚いて何匹ものヤマアカガエルが次々に飛び出してきます。春一番に田んぼに卵を産み付けるヤマアカガエルはこの時期、渓流で見ることができます。砂防ダムの上で昼食を摂っていると、向かいの崖の枯れ木にミサゴが止まっていることに気がつきました。「そのう」のあたりがふっくらふくらんでいます。今、食事を終えたばかり。ミサゴは捕らえた魚をかなり遠くまで運んで食べます。見晴らしのいい枯れ木は、きっと奴のお気に入りの食事の場所なのでしょう。できれば奴の食事中にいっしょに食べたかったと思いました。
by komachi-memo2 | 2009-06-25 10:08 | 気持ちのいい場所 | Comments(1)