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週末の峯山

週末の峯山_c0042548_11235752.gif←アメリカセンダングサに吸蜜するウラナミシジミの異常型(昨日見つけたもの、正常型より羽裏の紋が濃く、模様も少し異なっている)
10月に入って、週末は自宅近くの葉山と横須賀の分水嶺になっている小高い尾根、峯山に登ってタカの渡りを見ている。天候が回復し、よく晴れた視界のいい北風が吹く日には、葉山でも房総方面から東京湾を渡って、三浦半島の海岸近くを西方に飛ぶサシバやハチクマ、ハイタカ、チゴハヤブサなどのタカ類を観察することができるのだが、こういう条件が週末に重なることが今年は少なく、先週の土曜はサシバ135、ハイタカ類3、チゴハヤブサ1、昨日はサシバ1、チゴハヤブサ3と少ない。タカの渡りを観察しているグループの全国ネットである「タカの渡り全国ネットワーク」に情報を発信している神奈川の代表的な観察ポイントである武山は、自宅から車で30分ほどのところにあり、この季節には平日も熱心な三浦半島渡り鳥連絡会のメンバーが観察を続けている。峯山で観察をしていると、時々武山から無線や携帯電話で連絡が入る。「えー、武山です。今ですねー、海側をサシバ8羽が西に飛んでいきました。捕捉願います」「了解しましたあー」しかし、連絡のあったうちの何割かは捕捉することができた昨年と異なり、今年は捕捉できていない。タカの渡るコースが今年は葉山の沖を通ることが多くなったためなのだろう。
タカの飛ばない時間帯が長くなると緊張がほどけてきて、自然と足下の蝶に目が向いてしまう。今はナンテンハギやアメリカセンダングサが路傍に咲いていて、そこにこの季節だけ見られるウラナミシジミがやってくる。尾状突起があり、その部分の裏側の羽の色彩斑紋が美しいちいさな蝶だ。神奈川県内のどこでも見られる蝶なのだが、越冬できるのは沖縄から房総にかけてのごくかぎられた海岸線だけで、それ以外の地域では越冬できずに毎年死滅してしまう。春に南から北に移動しながら、何回かの世代交代をつづけ、ようやく10月に葉山でも見ることができるのだろう。温暖化の影響もあって葉山の地域で越冬している可能性もありそうだが、まだ春にこの蝶を見たことがない。ナンテンハギに付いていたウラナミシジミとおぼしき卵(産卵を確認していない)を元さんが採集した。顕微鏡でみると、まん中を指で押し込んだサボテンのような形で、まん中に精子の入る穴が開いているのがわかる。室内で飼育してみることにしたが、はたして低温期型のウラナミシジミ(色彩紋がない)を葉山で見ることに成功するだろうか。
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↑ウラナミシジミ(正常型)
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↑顕微鏡にデジカメを押しつけて撮ったウラナミシジミとおぼしき卵。photo by GEN
by komachi-memo2 | 2007-10-14 11:41 | 探鳥 | Comments(0)