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韓国民居の二冊の本

韓国民居の二冊の本_c0042548_18154641.jpgしばらく海外に出ていないな。韓国にはかれこれ10年近く行っていないと、本箱から取り出してぺらぺら頁をくりだしたのが韓国民居の2冊の本。『韓国現代住居学』と『朝鮮の民家』だ。『韓国現代住居学』は自分で編集した本だ。まだ建築知識の編集部にいた頃、「日本と韓国の住居の近代過程の比較考察」(ハウジング・スタディ・グループ、鈴木成文代表)という報告書が個人的に韓国に関心のあった私の編集熱に火を点けた。連載は12回、年に10回近くハウジング・スタディ・グループの先生たちと漁村から町家、スラムへと調査・取材に行った。韓国の研究者も調査協力するからいつも大所帯だった。写真は三沢博昭。得意のハッセルで撮ってくれた。みんな若かった。表紙扉にこんなことを書いた。「履物を脱ぎ床に座る習慣、襖や障子の存在、室内と庭との連続性など、私たちがうっかりすると日本固有のものと考えがちな住様式が、実は隣国韓国にもある。韓国の住居はいまやすさまじいばかりの近代化の波の中で、大きな変容に見舞われている。その変容の過程もこれまた日本と類似しているのである。類似しているからこそ相違が気になり、比較してみたくなる。……」
もう一冊の野村孝文『朝鮮の民家』は確か宮脇檀さんが勧めてくれた本だ。著者が朝鮮の民家をこよなく愛したことがこの本を読むとよく伝わってくる。宮脇さんも朝鮮の民家を愛した人だった。韓国に行くときはいつもこの本をスーツケースに入れて行った。またいつかこの本を携えて韓国の田舎をゆっくり歩いてみたいものだ。

残念なことにどちらもすでに絶版になっていて古本でも手に入れにくい状態のようである。
●ハウジング・スタディ・グループ『韓国現代住居学 マダンとオンドルの住様式』エックスナレッジ、1990
●野村孝文『朝鮮の民家 風土・空間・意匠』学芸出版社、1981


Commented by satoshi_irei at 2007-01-12 20:21
明けましておめでとうございます。
この本欲しいですね!!・・・韓国好きとしては。
今年も事務所旅行で行きたいですね。
Commented by tokyomachiya at 2007-01-13 01:05
僕も読んでみたいです!
韓国の民家は九州大学の青木先生とだいぶ回りましたが・・・とても魅力的です。
特に風が通る夏の部屋は気持ちが良かった。
Commented by komachi at 2007-01-13 09:54 x
ireiさん、今年もよろしく。tokyomachiyaさん、いつもどうも。思い出すのはソウル近郊の堂下里という村の中庭型の農家。アンマダン(中庭)を囲む各部屋のスケールがとてもよかった。建築家なら床高などの寸法を測ってみたいと誰でも思うと思います。それにしても良い本はどうしてどれも絶版なんでしょうね。
Commented by satoshi_irei at 2007-01-22 15:38
早速、アマゾンで手に入れました!!
by komachi-memo2 | 2007-01-12 18:26 | BOOKS | Comments(4)