2006年 10月 09日
嵐のあとのタカの渡り

先週の大型の低気圧が各地で船を座礁させながら、太平洋岸を北上して関東地方を去っていった6、7日の葉山の海の視界は抜群に良かった。朝、峯山に登ると、東京湾の向こう房総半島の家並みまで間近に見え、東京湾沖に嵐を避けて停泊していた大型のタンカーやコンテナ船があちこちに見えた。普段は雲に隠れて見えない三宅島も大島の左に見える。
雨が大気中のほこりと水蒸気を洗い流すと、こんなにも視界が違う。ニューヨークで9.11のテロがあった年の夏、イランにいて、雲一つない砂漠で夜を待って星を見ようとしたことがあった。砂漠で満天の星を眺められると期待したが、それは無理だった。雨の降らない砂漠では大気中のほこりはいつまでも漂ったままで、ぼんやりした星空しか見えないのだった。地球上に生きとして生きるものの源が、この水蒸気と雨の大気循環による熱廃棄にあることを気持ちのいい景色を見ながら思う。
満を持して嵐の去るのを待っていたサシバやハチクマが、葉山の上空高く北西に渡っていった。6日は朝から正午過ぎまでで110羽、7日は朝から夕方までで350羽を超えた。炎天下、上空を観察するどの顔も赤黒く焼け、首筋には双眼鏡のバンドの跡が白く付いた。

by komachi-memo2
| 2006-10-09 00:52
| 気持ちのいい場所
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