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『フォトモ——路上写真の新展開』

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以前は設計事務所にお邪魔すると、敷地の全体写真をコンパクトカメラで紙焼きにしたものをつないで貼っているのをよく見かけた。あの継ぎ接ぎ写真を「ツギラマ」と呼ぶことを教えてくれたのが本書である。広角レンズで全景を撮った写真やコンピュータでつないだ写真よりも標準レンズで撮りアナログでつないだツギラマがよりリアルに感じるのは、なぜか。人間の目は視点をビデオをパーンするようには動かさない。いわばブラウン運動のようにあちこちに断続的に視点を動かし、それを脳で再構成して世界を認識している。ツギラマはそうした視線の辿る動きに即しているからリアルに感じるのだと本書はいう。嘘か本当かわからんが、こういう説明が私は好きである。表題の「フォトモ」とは写真を切り抜いて組み立てた立体写真のことで、本書では路上写真のアナログ的可能性を心ゆくまで堪能することができる。著者の1人糸崎公明氏は2つのBBS「国際路上観察BBS」「世界の自然観察BBS」を運営するがこちらも一見の価値がある。
●非ユークリッド写真連盟著『フォトモ——路上写真の新展開』、工作舎刊、2800円
by komachi-memo2 | 2006-03-14 09:25 | BOOKS | Comments(0)