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『昆虫ー大きくなれない擬態者たち』

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ようやく先週から書店に『昆虫ー大きくなれない擬態者たち』(OM出版発行、農文協発売)が置かれるようになった。栗林さんに表紙撮影をお願いしたのが3月。表紙は菜の花が写っている。あんまり遅れるとまずいなと思っていた。滑り込みセーフというところか。口絵のハチやアブの写真は、博物館の標本収蔵庫に日参して採ったが、標本自体が生きているときと色がことなっており、またデジカメの癖もあって苦労した。接写の腕前を上げなくてはと思っている。この本、大谷さんの研究の守備範囲を網羅していることもあって、昆虫の本とはいえ、書かれていることの範囲はかなり広い。そこを読者に楽しんでもらえればと思っている。私は大谷さんの原稿を読むことで、自分の読書範囲をずいぶん広げることになった。鳥好きの私としては、第3章の「鳥とともに進化した昆虫」に接して、探鳥会に行っても昆虫にも興味を持つようになった。というより食物連鎖としての昆虫と種子植物と鳥の1年サイクルの生態を観察することに面白さが深まっている。また第8章の「幾何学と浮力に関わる動物の足」は、動物の歩行肢がなぜ2脚、4脚、6脚、8脚だったりするかの謎解きなのだが、ここで大谷さんは人間が二足歩行になった根拠としてエイレン・モーガンのアクア説を支持している。アクア説は、人間が二足歩行になれたのは半水生で浮力の助けがあったからというもので、多くの二足歩行の恐竜の根拠もそこにあるという。モーガンの著作や脊椎動物の進化の本を読むようになった昨今である。
Commented by syouin_commons at 2005-07-04 16:34
昆虫の話、読みたいです。書店で探してみます。
こんどお会いするときに話を聞かせてください。
(しの)
by komachi-memo2 | 2005-06-29 11:58 | 百の知恵双書 | Comments(1)