2013年 09月 21日
宮本常一講演選集第1巻発刊
宮本常一講演選集第1巻「民衆の生活文化」の見本が届いた。いつもそうだが、自分が手がけた本の見本を最初に開くときはドキドキする。間違いはないかという不安、ようやく完成という達成感。今回の選集は企画から3年近くかかっているから格別だ。印刷入稿までは延々と時間がかかるが、今は印刷入稿から完成まで一月足らず、あっという間。
講演録はすでにどこかで発表されているものがほとんどだが、宮本常一の校閲がされていないものが多い。話されていることに間違いはないか、どうか慎重にならざるを得ない。巻末の註もかなりになった。「これに註を付けたら本が書けちゃうよ」「お前が書け」「わからん。宮本先生に聞け!」田村先生はときに怒りながらも黒子としての編集者の苦労を知っているから丁寧に註を書いてくれた。第1巻は絵巻物の挿絵が多い。周防大島文化交流センターのお世話になった。
つくづく紙の書籍の編集は面白いと思う。束見本をつくって、本の重さ、紙の色、手触りを確かめる。花切れやスピンの色を決める。腰巻きの文言をひねり出す。装幀はtee graphicsの堀渕さんにお願いした。第1巻の栞の原稿は法政大の田中優子さんとTEM研究所の真島俊一さんにお願いした。
第2巻は「日本人の知恵再考」。入稿はもう一月後に迫っている。
by komachi-memo2
| 2013-09-21 10:20
| ヒルトップの日々
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