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益子のベーハ小屋

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↑二つ並んだベーハ小屋。間の下屋が焚口だったのだろう。右側の小屋には煙出しがない。
百の知恵双書第20巻がようやく刊行し、著者の齊藤祐子と写真家の北田英治と3人で益子に遊びに行く。ひとつの目的は北田の友人である今成さんの陶芸展を見ることであったが、もうひとつは益子に残るベーハ小屋を見て回ることだった。益子は西日本の讃岐と並んで、東日本でベーハ小屋が最も残存する場所である。ベーハとは米葉、つまり紙巻きタバコのこと。ベーハ小屋はタバコの葉を保温乾燥させるための小屋である。住宅のほぼ2層分の縦長のプロポーション、切妻の屋根に煙出しを設けた特徴あるこの小屋が、国の指導で昭和八年頃から日本本土だけでなく、日本の植民地であった台湾に至るまで東アジアに蔓延するように建つようになる。目がベーハ・モードになると、車の中からベーハ小屋が集落のあちらこちらに存在していることが見えてくる。当時からタバコを栽培しているという農家で話を聞くことができた。今では栽培農家は減り、集荷する専売公社の組合もなくなり、福島まで持っていくという。もちろん、現在はベーハ小屋での乾燥は行われず、その隣にコンパクトな乾燥機が置かれ、ベーハ小屋は物置きとして使われていたが、その朽ちかけた姿はとても美しいものである。益子では土壁、漆喰壁、土壁の上に下見板を貼っているものがあり、下部を大谷石にしているものもある。また住居部分と一体化してリニューアルしているものもある。今回はリニューアルしている家の内部を見ることができなかったが、見てみたい。車で見て回ったのは益子の4分の1ほどの範囲、3、4日かけてベーハ小屋だけを探せば、かなりの数が見られると思われる。
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↑住居部分と一体化してリニューアルされても、かつてベーハ小屋だったことはわかる。

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↑今もタバコを栽培している農家の昭和8年頃建てられたというベーハ小屋。朽ちていく姿が美しい。

by komachi-memo2 | 2009-03-26 17:29 | まちの拾い物 | Comments(4)

「デザインサーベイとしての昭和建築家」展示・講演会 全4回予定

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↑藤井厚二「聴竹居」(撮影/三沢博昭)
日本のパッシブデザインのパイオニアとして近年、再評価されている二人の建築家に藤井厚二と山越邦彦がいる。藤井厚二は京都・大山崎の聴竹居(1929年)の公開と共に、最近では一般にも知られる存在だが、山越邦彦はエコロジカルデザインの嚆矢としてのドーモ・ダイナミカ(1933年)と共にこれからさらに広く注目される存在だろう。この二人の存在を知ったのは矢野和之さん(文化財保存計画協会代表取締役)のおかげである。今から30年以上前のことである。当時、矢野さんは「昭和初期住宅研究体」というグループをつくり、山越邦彦について「自然との循環系をもつ科学的実験住宅」という記事を『建築文化』(74年1月号)に掲載した。また『建築知識』80年4月号に広瀬鎌二の「聴竹居」実測調査記事が掲載されるが、実はその企画を仕掛けたのも広瀬先生の弟子であった矢野さんである。これらの記事は二人の建築家を再評価した最も早い時期のもので、デザインサーベイとして調査したという点に時代相がかいま見えて面白い。当時、矢野さんはどのような興味からこれらの建築家に接近したのだろうか。
矢野和之さんの話を聞く講演会が、東京・町田のサロン「可喜庵」で連続的に開かれる。
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↑山越邦彦「ドーモ・ダイナミカ」(撮影/三沢博昭)

◎「デザインサーベイとしての昭和建築家」全4回
1)第1回 環境共生実験住宅「聴竹居」と藤井厚二
展示期間 4月9日(木)〜4月21日(火)
講演会  4月11日(土) 予約締め切り 4月9日

2)第2回 エコロジカルデザインと「山越邦彦」
  展示期間 6月11日(木)〜6月24日(火)
  講演会  6月13日(土) 予約締め切り 6月11日

3)第3回 民家と乾式工法——倉田周忠
  展示期間 9月3日(木)〜9月15日(火)
  講演会  9月5日(土) 予約締め切り 9月3日
  
4)第4回 SHシリーズと広瀬鎌二
  展示期間 10月22日〜11月2日(月)
  講演会  10月24日(土) 予約締め切り 10月22日
  
・シリーズを通して、展示は10〜17時(入場無料)
 講演会は16時より18時頃まで 定員30名 参加費2000円(懇親会込み、要予約)
・問い合わせは可喜庵(鈴木工務店内 042-735-5771 担当・畑さんまで)       
by komachi-memo2 | 2009-03-26 15:39 | EVENT | Comments(0)

畑先生の最終講義

c0042548_1013124.jpg畑聰一先生の最終講義が芝浦工大豊洲キャンパスで先週末にあった。日本を代表する住居・集落フィールドサーベイヤーの最終講義を聞こうと、大きな教室が埋め尽くされた。先生はこの35年間に世界各地の90の集落、5000以上の家屋を調査し、またその過程で多くの若い優秀な人材を育てた。タイのアカ族や韓国の農漁村、スラム調査に同行取材した20年以上前のことが昨日のことのように思い出される。最終講義に合わせて3分冊の『フィールドで考える』という畑研究室の通史が発行されたが、畑研究室の地道なフィールドワークの用意周到さをかいま見る思いがする。先生は退官後はこれまでのフィールドワークのまとめに入るという。最終講義では中庭型住居と外庭型住居の二つの型を近代と反近代という対比で話されたが、これからのまとめのなかで、思索がどう深化していくのか楽しみだ。
『フィールドで考える』の入手問い合わせはFAX(044-955-9698)にて。
●畑研究室通史編集委員会編
・フィールドで考える(1)日本・東アジア(2500円)
・フィールドで考える(2)東南アジア・地中海沿岸(3000円、4月下旬刊行)
・フィールドで考える(3)フィールドで考えた・社会に出て考えた(2500円)
by komachi-memo2 | 2009-03-20 10:05 | EVENT | Comments(0)

トウキョウサンショウオの産卵

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今年も家の近くで絶滅が心配されているトウキョウサンショウウオの産卵が見られた。ちいさな水たまりにクロワッサンのような形をした卵塊が6腹以上ある。土砂がたえず卵塊に降り、酸素供給を悪くしている。幼生が食べる小さな生物も水たまりには見当たらない。トウキョウサンショウウオの幼生の共食いは全食料の3割に及ぶという調査を読んだことがあるが、これでは10割共食いである。しかし、それでもトウキョウサンショウウオの行動半径は数百メートルと言われているからこの近くに人知れずひっそりわずかの成体がまだ生き延びているのだ。暖かい雨の降った数日後、深夜から明け方に、雄が先に水たまりでメスが産卵に来るのを待つというが、まだその光景を見たことがない。かつてはこの卵塊はこの時期、三浦半島の谷戸ではごく普通に見られたものなのだろう。しかし、今では神奈川県内では鎌倉、逗子、葉山付近が最期の生息地になっている。その神奈川の生息地も、谷戸の湿地が埋められ、住宅地と変わり、残る谷戸の水場もU字溝が埋められ、彼らの生息環境は年々限りなく狭まっている。しかもせっかく生んだ卵塊も近年庭先にまで出没するアライグマに荒らされるようになった。里地環境のバロメーターのようなこの生物が住める環境を少しでもフォローできればと思う。
by komachi-memo2 | 2009-03-20 09:50 | 茅木山の日常 | Comments(0)

土筆の卵とじ

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一歩、家から外に出ると家の廻りはヒメオドリコソウやオオイヌノフグリが満開、キジバトもヒヨドリもムクドリもシジュウカラもペアで飛び、春のいぶきが一杯のこの頃である。週末、近くの田んぼに行くとレンゲがもう咲いている。休耕田には足の踏み場に困るほど土筆が出ている。もう花粉を飛ばしているものもある。ちょっと残念、3日ほど早ければ収穫は3倍にはなっただろう。家に帰って、元と爪を真っ黒にして袴をとる。元は佃煮、私は卵とじ。土筆に付いた泥を水でよく洗い、昆布の出し汁とお酒少々で煮、柔らかくなったところで醤油で味を整え、溶き卵を入れれば完成。野趣な苦味が何とも美味。佃煮は次の日の家族のお弁当のおかずになった。
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by komachi-memo2 | 2009-03-19 10:09 | おいしい物 | Comments(0)

カルガモの中のオオハシシギ

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↑カルガモの近くから離れないオオハシシギ(photo by GEN)
タタラ沼でのワンシーン。カルガモの群が眠る中で、ひとりさかんにオオハシシギが餌をとる姿は印象深い。オオハシシギはカルガモから一定の距離以上離れず、隠れるように採食していた。空から遮るもののない沼で、オオハシシギにとって自分より大きなカルガモの群は絶好のカモフラージュなのだろう。
by komachi-memo2 | 2009-03-13 08:48 | 探鳥 | Comments(0)

チュウヒを見に渡良瀬へ

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↑コチョウゲンボウとオナガ(photo/Gen)
今月初め、渡良瀬遊水池周辺に友人7人で鳥を見に行った。広大な葦原の残る渡良瀬に行くのは、私は今回が初めて。館林ICから多々良沼近くのガバ沼にまず寄り、タタラ沼→旧谷中村跡周辺→通称タカ見台で日没まで観察した。葦原のなかに点々とある潅木の梢のあちこちにコチョウゲンボウがとまっている。チュウヒやハイイロチュウヒが葦原低く舞う。チュウヒとハイイロチュウヒ♀の識別を今回、学ぶことができた。一度だけハイイロチュウヒ♂が姿を我々の前に現してくれた。その灰色の見事なこと! ハシブトガラスにモビングされて潅木にとまったオオタカにカラスたちは細枝を折って上から落して威嚇する。日も落ちてプロミナーで見る葦原に色がなくなった頃、鳥見を満喫して7人は神奈川へ帰った。タカ見台で見た葦原の光景はずっと後まで忘れないだろう。
●見た鳥(合計58種)
カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ノスリ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオバン、ハマシギ、セグロカモメ、キジバト、カワセミ、アリスイ、アカゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、アカハラ、シロハラ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、シメ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、オオジュリン、コハクチョウ、コブハクチョウ、オオハクチョウ、アメリカコハクチョウ、オオハシシギ、アメリカヒドリ

by komachi-memo2 | 2009-03-12 08:34 | 探鳥 | Comments(0)

2009年のハムレークン

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今年も奥村昭雄・まこと夫妻から生ハムが届いた。知る人ぞ知る生ハム製造機ハムレークンによる絶品である。豚の腿肉、バラ肉、時鮭の3種といっしょに短文が付いている。
何々「今年は温度管理がうまくいった。完全に5℃±2℃で出来た。漬けた塩水は9.5%だが、バラは塩分がしみ込みやすい。結果的な塩分はももで3%、バラで4%くらいじゃないかと思う。昔、食品検査所で分析してもらったときは、ももが3%だった。それとほぼ同じ味だ。」ふむふむ「スライサーのことなんですけど、お届けするものに製品ムラがあります。先に謝ります。……吊るす位置による燻煙のムラがあって、色も茶色くて燻りくさいところと、丁度いいところが混ざっていたりします。もうそれは「運」ですね。78歳のお婆さんと80歳のお爺さんが二人でシコシコ、スライス・真空パック、などやっているのですから、うまくゆかないところもあります。本当はもっとちゃんとやらなけりゃ、と反省しています。以上」
生ハムも建築も家具も万事がこの調子。変わるところがない。お二人の製造風景が目に浮かんでくる。ごちそう様。
by komachi-memo2 | 2009-03-11 09:08 | おいしい物 | Comments(0)

旬のワカメ

c0042548_1541055.jpg葉山の春の風物詩のひとつはワカメの収穫である。漁師に友人がいる葉子に、このところ連日のようにワカメが届く。熱湯にくぐらせると鮮やかな緑に変身する。これをしゃぶしゃぶのように鍋でやると、実にうまい。いくらでも食べられる。この日、届いたワカメは天然の立派なワカメ。養殖の2倍の重さはありそうだ。天気が晴れないこの時期は洗濯物といっしょに室内にずらりと干される。下から物欲しそうなトラの視線。c0042548_1544942.jpg
by komachi-memo2 | 2009-03-09 15:07 | 茅木山の日常 | Comments(0)

齊藤さんの『集まって住む終の住処』責了

c0042548_1885411.jpg齊藤祐子さんの『集まって住む終の住処』を責了した。1年前の企画段階では、高齢者の住まいや施設をどう取り上げるか、その内容はかなり漠然としたものだった。住まいや施設の紹介記事ではなく、いつも齊藤さんが住まいを設計する時に考えていることを書けばいい、高齢者の住まいという特別なものがあるわけではないのだからと注文した。だから当然のこととして、齊藤さんは住まいとは何かを問うことになった。テーマの軸足は定まった。齊藤さんは本書の「はじめに」で、次のように書いている。
「住まいは実存の原点である。高齢になってこそ、どう生きるかを問いかけてみたい。そして、〈集まって住む終の住処〉を手がかりに、高齢者だけにとどまらず、自分の意志で住み続ける場所、街や住まい、人のつながりを見直していきたい」と。住むということは自分の居場所を自分の意思でつくることである。高齢になって自分自身を一人で見つめ直す時間が持てたとき、自分にとって必要不可欠な住まいのかたちも見えてくる。それは所謂「高齢者のための住まい」にとどまるものではないはずである。本書が彼女の渾身の住まい論になった所以である。
本書のジャケットに次のようにリードを書いた。今月末の発売。皆さん、読んでください。

自分が親の介護を考える年代になったとき、誰もが自分のこととして、
これからの人生をどこで、誰と、どう生きるか、問い始める。
今、社会制度の整備を追い越して急激に進む我が国の高齢化社会は
長寿を祝福する環境を奪い、高齢者は生活の不安を抱えている。
最期まで納得した生き方をする意思があってはじめて
自分の「終の住処」を現実に思い描くことができる。
高齢になっても活き活きと暮らすために、住まいに求められるものは何か。
多世帯家族が共同で暮らす住まいに、どんな知恵と工夫があるのか。
グループリビングやグループホームとはどんな場所なのか。
「終の住処」を地域再生の拠り所にする意味はどこにあるのか。
グループホームや高齢者のための住宅を数多く設計してきた
建築家による渾身の住まい論。

●百の知恵双書第20巻
齊藤祐子『集まって住む終の住処……自分の意思で暮らし続ける知恵と工夫』
農文協刊
発売 3月下旬
by komachi-memo2 | 2009-03-04 18:12 | 百の知恵双書 | Comments(2)