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田中優子『カムイ外伝講義』

c0042548_1895029.jpg『ガロ』に連載されていた白土三平『カムイ伝』を最初に読んだのは国立の増田書店の店頭でした。「カムイ」という不思議な言葉がアイヌ語であることをそのとき知って、中学1年の私はなぜか感激したのを覚えています。先週、田中優子著『カムイ伝講義』を偶然買ったのも増田書店でした。葉山までの帰りの車中で読む本がないことに気付き、何気なく買った本なのですが、これが実に面白い。田中さんは『カムイ伝』を法政大学の江戸ゼミでテキストに使っているらしく、それをまとめたのがこの本というわけです。穢多が江戸時代に全国的なネットワークになっていたこと、鞣しという仕事が軍事的にも不可欠な仕事であったこと、穢多と非人の違い、綿花が国内生産された時代と幾人もの「正助」といったぐあいに、カムイ伝に描かれた人々が生きた時代を立体的に紡ぎ出してくれるのですが、眼からウロコ、知らないことばかり。中学生の私はいったい何を読んでいたのでしょうということで、『カムイ伝』27巻、『カムイ外伝』11巻をもう一度読む楽しみができました。
by komachi-memo2 | 2009-01-30 18:11 | BOOKS | Comments(2)

「週刊朝日」2月6日号週刊図書館

c0042548_16352945.jpg『週刊朝日』の今週発売号に百の知恵双書18巻『窓を開けなくなった日本人』が、著者の渡辺光雄さんと共に紹介されています。この本で渡辺さんは、日本の住まいの戦後の急激な様変わりとそこでの暮らしの変容を「窓を開けなくなった」ということで象徴的に言い表しています。昨今、住宅の温熱環境をめぐるフィールドから建築家たちによって、「開くことと閉じること」が住宅設計において広く論議されるようになりましたが、この問題はもちろん住み方の問題として、また地域づくりの問題にまで広げて考えるべきテーマであるわけです。もうひとつ、この本で大きく取り上げているテーマとして、日本人と床の問題があります。この問題も藤井厚二の時代から何度もたびたび住宅設計のキーテーマとして議論されてきた問題です。こうした宿題を根本から掘り下げ、試行することは住宅設計という行為そのものをきっと面白くしてくれるはずです。昨年12月7日の毎日新聞の書評欄で小泉和子さんの『日本の住宅という実験』が取り上げられ、今回、渡辺光雄さんの『窓を開けなくなった日本人』が週刊誌にとりあげられたのは、こうした問題が一般の関心事にもなってきている証拠だと思います。これらの本の編集者として、まずは目出度いことであります。
by komachi-memo2 | 2009-01-28 16:37 | 百の知恵双書 | Comments(0)

百の知恵双書19巻、色校戻し

c0042548_8243549.jpg昨日は先週末に印刷所から届いた百の知恵双書第19巻、野沢正光さんの本の色校正紙を戻す締め切り日でした。宅急便が来てくれる時間までに何とか仕事を終えることができました。色校正紙を見る時、裁落しの線を青鉛筆で引くことを私はまず最初にやります。何十枚もの校正紙に線を引くのは結構手間で、時間がない時にはやめてしまおうかと思うのですが、ずっと続けています。これは写真の裁落しのラインやレイアウトの仕上がりを確認するためなのですが、現在はレイアウトをコンピュータのモニターで確認しながら進めるので、必要のない作業なのです。それでもこれから色校を見るぞ、という始めの儀式みたいなもので、これをやらないと気持ちが悪いのです。ブックデザイナーの工藤強勝さんを私は完璧な指定紙、校正をする方として尊敬していますが、長い間いっしょに仕事をして、彼の仕事の仕方の影響をずいぶん受けました。裁落しラインの青線入れも工藤さんの影響です。
今回の19巻はすべてモノクロ頁です。文字も写真もそこそこあるこの双書で、いつも色校で気にしているのはモノクロ写真のアンダー部分の階調の上がりです。モノクロ写真の美しさはこのアンダー部分の階調にあるのですが、なかなかこれが難しい。まずは紙の問題があります。文字の読みやすさを考えると、コート系の紙よりもある程度しっとりした紙を使いたい。しかしそうすると、インクを吸うのでつぶれやすくなります。コストの問題がなければ優秀な紙はあるのですが、紙代は高騰しており、もうほとんど選択の余地がありません。この双書は3回も紙を変えています。もう一つは写真原稿のアナログからデジタルへの移行です。デジカメの写真原稿は階調の乏しいコントラストの強い仕上がりになりがちです。そして、さらに問題を難しくしているのは、入稿原稿が紙焼き、デジタル、ポジフィルムといろいろあることです。原稿の種類によって印刷所での製版は分業されますから現場の判断で仕上がりにも違いが出てきます。デジタル全盛ですが、今のところ、入稿データの種類ではまだポジフィルムが一番きれいに仕上がるようです。紙焼きの写真の製版が昔と較べて、安定しなくなったように思います。今回の野沢本の色校がどうだったかと言えば、全体的にはかなりよく出ていました。ポジはほぼ合格、紙焼き原稿は濃度、コントラスト共にやや弱く、デジタル実データはつぶれぎみです。さて、仕上がりでどこまでこちらの希望がかなうでしょうか。完成までもう少しです。
by komachi-memo2 | 2009-01-27 08:40 | 百の知恵双書 | Comments(0)

最近の文庫本の買い方

c0042548_17322378.jpgコーヒーのお湯が湧くまでのつかの間、片づかない書棚の前で二度三度と読み返した本がいったいどれだけあるのかとふと考えました。10冊に1冊、いや20冊に1冊もあるか、ないかです。ほとんどの本が1回だけ読まれ、後は書庫にずーっとほこりをかぶって眠っています。これは大方、他のうちの書棚においても同じではないか、日本全国の数千万個の本棚で、一度だけ読まれた本たちが、いつかもう一度読まれるかもしれないというほとんど望み薄の期待を抱いて静かにその時を待っていることを想像すると、何とももったいないという気持ちになりました。アマゾンコムで本を検索して注文するとき、以前は文庫本や新書は絶版でない限りあえて古本を買うことはなかったのですが、最近は古本がある場合は、迷わず古本を頼みます。二度、三度と本のお務めを果たしてもらいたいという気持ちがあるからです。ところが、本が届いて驚くのはその本の状態のいいことです。とても一度読んだ状態ではありません。日本全国から届くメール便の封を開ける時、書店購入では味わえない不思議な充実感があります。本を救出したような気分です。
by komachi-memo2 | 2009-01-26 17:39 | BOOKS | Comments(0)

柿を食べるアカハラ

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朝、そうっと裏山の畑に近づくと、畑の奥の薮の下に胸がオレンジ、背の部分が暗褐色の鳥が降り立ったところです。アカハラです。ツグミよりも一回り大きい鳥です。落葉を嘴で掻き分けることに熱中しています。落葉の下にいる小動物、ミミズやワラジムシ、ゴミムシなどを探しているのです。これに熱中し出すと、かなり長い間、その場所にいてくれるので、シャッターチャンスなのですが、いつも木の陰です。私の家の周りでは、今の時期、アカハラとその仲間であるツグミ、シロハラを見ることができます。ツグミは家の庭にも挨拶に来ますが、アカハラとシロハラはこちらから行かないと、会えません。今年はシロハラよりアカハラのほうをよく見るような気がします。1月初旬、熟成した柿は鳥たちのレストラン、アカハラもやって来ていました。(photo/GEN)
by komachi-memo2 | 2009-01-23 09:26 | 探鳥 | Comments(0)

ピンク色の嘴

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通勤、通学途中、「あっ!シメ」と元が言います。シメとはアトリ科の鳥の名前。耳のあまり良くない私には「ツィー」と高音で頭上高く飛びながら鳴く、その声が届きません。二羽のシメが横切りました。私が住む葉山では冬によく見られる鳥。冬に会いたい鳥のひとつです。いつも梢のかなり高いところにとまっており、間近で見る機会はそれほどありません。写真はある公園で、地上に降りて採食しているところを近くで見ることができた時のもの。枯葉の上に落ちた小さな種子を食べていましたが、何を食べていたかはわかりませんでした。この突っ張った面構え、いいですねー。こんな人相の人いそうですが、かなりコワイです。ピンク色の嘴に噛まれたら、きっと悲鳴をあげるでしょう。春になるとピンク色の嘴は灰色に変わり、北に帰っていきます。(photo/Gen)
by komachi-memo2 | 2009-01-21 18:46 | 探鳥 | Comments(0)

鳥そば

c0042548_1820722.jpgこのところよく事務所で鳥そばをつくって食べる。ネギを半分、鳥肉とダシ醤油としっしょに煮て、山椒をたっぷり振りかけて、熱々のところを食べる。忙しくて買い物にも行けずにいると、連日鳥そばだが、これが不思議と飽きない。
by komachi-memo2 | 2009-01-19 18:21 | おいしい物 | Comments(0)

海野和男さんの『昆虫写真マニュアル』

c0042548_905681.jpg昆虫写真家・海野和男さんに、名著『昆虫写真マニュアル』がある。20年も前に出版された銀塩カメラによるフォトテクニック満載のガイドブックだ。ストロボの使い方、超広角撮影法、海野さんの昆虫写真の手法が余すところなく、紹介されており、カメラがデジタルになってもその本格的な技法内容は古びない。が、すでに絶版である。アマゾンコムで調べると6000円以上と高額だが、類書がないだけにほしい人は買うだろうと納得する。インターネットで探すと、北海道の古本屋の目録に1575円とある。早速、注文すると、既に売れましたとの返事が返ってきた。そうだろうなと思い、別の本を注文した。数週間経った頃、その古本屋さんからメールで、『昆虫写真マニュアル入荷しました。お買いになりますか?』と連絡が入った。私が本を探しているのを憶えていて、千円ちょっとの本でも連絡をくれる。ちょっと幸せになった。先日、ブックオフで筑摩書房の文学全集がばら売りで、一冊105円で売られていた。朱色に黒い箔押し、糸かがりの美しい上製本である。こういう全集の中から読みたいものを見つけて買う面白さもあるが、北海道の古本屋さんの売り方はその対極にある。この古本屋さんに行ってみたいと思った。
by komachi-memo2 | 2009-01-17 09:03 | BOOKS | Comments(0)

柿のジャム

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昨年の暮れに写真家・北田英治の事務所に行くと、事務所の入口に所狭しと柿が段ボールに3箱ある。彼の故郷・鳥取から送られてきた柿である。3箱もあるので持て余している。一箱くれると言う。しめた! 柿で美味しいジャムがつくれよ、と数日前に家で葉子がつくっていた柿ジャムのレシピを教えてあげる。レシピと言えないほどつくり方はいたって簡単。柿が完熟になるのを待って、ユズの汁をたっぷりいれて、砂糖と煮ればいい。ユズは皮も絞ること。柿の種類によって甘さは異なるから砂糖はお好みで。たくさんできた時には冷凍庫で凍らすと、これまた美味しいシャーベットになる。使ったユズの皮は捨てないで、これもハチミツと煮ればユズジャムに変身する。上は自家製天然酵母のオレンジピールのパンと柿のジャム。下は同じくライ麦パンにユズのジャム。
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by komachi-memo2 | 2009-01-16 08:26 | おいしい物 | Comments(0)

奥村昭雄の暖炉の本

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12日、目白の自由学園明日館で暖炉の炉端で奥村先生が「暖炉の話」をしてくれた。会を主催したのは「明日館を愛する会」。昨年の暮れにまことさんから「昭雄の暖炉の本を会場で売れば」と連絡があった。「もう絶版、レア本だよ。古本で高額で取引されている」と話した。自分の編集した本は何冊かストックがある。探してみると、10冊ほどある。会場で著者割で売ると、たちまち売り切れた。発刊は91年。もうかれこれ20年近くなるのだ。この本以外に暖炉の構造、働きについて日本で書かれた本格的な書籍を知らない。おそらくこれからも出ないだろう。
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by komachi-memo2 | 2009-01-15 08:29 | BOOKS | Comments(0)