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古書店の掘り出しモノ

c0042548_924131.jpg買い物に鎌倉に出たついでに小町通りの古書店に寄る。人通りでごったがえしている通りの横にあるのに店先には人がいない。鎌倉の古書店にも二通りあって、店主が相場をきっちり調べて高価な古書を飾っている店とそうでない店。当然面白いのは後者。200円均一の段ボール箱の中に野間宏の「真空地帯」岩波文庫上下二冊がある。これは安い。少し前に復刻されたが上下で1200円はする。どうしようか迷いながら(迷う値段ではないけれど)、100円均一の絵本や図録の箱を探すと、「神奈川のシギとチドリ」があった。おお、これは見っけ! 1982年に神奈川県立博物館で行われた特別展「シギとチドリの世界」の解説書である。へえー、県立博物館でこんな展覧会があったんだ。著者は浜口哲一(平塚市博物館)、石江馨(野鳥の会神奈川支部)、中村一恵(県立博物館)の3人。70頁ほどのA4版の冊子。シギ・チドリ類の分類と生態、シギ・チドリ類の保護、写真でみるシギ・チドリ類の生態の3部構成でコンパクトにまとまっている。ちょっと古いが役に立つ。4月に入ればシギチの到来。いまのうちに予習しておこうっと。ちょっと幸せ気分の古書店の店先である。
by komachi-memo2 | 2007-03-29 09:28 | BOOKS | Comments(0)

宮本常一著『日本人の住まい』刊行

c0042548_9142222.gif先週末に届いた宮本常一『日本人の住まい』百の知恵第13巻の見本誌を献本先に発送。近くに郵便局がないので、リュックにつめて逗子までバスで出しに行く。30部の見本はあっという間になくなり、残すところ数冊。もっと献本したい人はたくさんいるのだが。残りの献本先は農文協にリストを送って出してもらうことにする。3月末は取次が閉まるので、書店に並ぶのは4月に入ってからだ。
by komachi-memo2 | 2007-03-28 09:25 | 百の知恵双書 | Comments(6)

芳賀八恵さんの『本づくりのかたち』

c0042548_13445316.gif書店で妍を競って並ぶ多くの本の片隅に、おとなしいがシンのある雰囲気が気になって手に取った本は、芳賀八恵さんの『本づくりのかたち』。青みがかったグレーの表紙に明朝体のタイトルが青く小さく入っている。この本で紹介しているのは、自分を表現する手段として本づくりを選んだ人たちだ。「牛若丸」「空中線書局」「トリトンカフェ」「SKKY/iTohen」「youug tree pree」「mini book Hana」「四月と十月」「小さな本」「WINDCHIME BOOKS」「トムズボックス」「未来本」「Web Press葉っぱの坑夫」、そして著者・芳賀さんの「8plus」。原稿も写真もイラストも描くが、最終的に本づくりまでする個人出版の個性たち。芳賀さんも書かれているが、DTPが発達し商業出版と自費出版はボーダーレス化し、本づくりのかたちは多様化している。本をいかに売るかという問題の立て方でなく、表現手段として本づくりをしたとき、本はいかに個性的になるかというサンプルをこの本に見る。本書で紹介している個人出版のホームページも個性豊かでたのしい。
●『本づくりのかたち』芳賀八恵著、8plus発行、1800円
by komachi-memo2 | 2007-03-27 13:46 | BOOKS | Comments(0)

久しぶりの「水辺」再会

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ずいぶん前にエントリーした「東長崎そぞろ歩き」(2006.4.14)に、イノウエさんから最近、コメントをもらった。板橋区立美術館で開催中の「池袋モンパルナスの作家たち」展で亡父の絵を見てくれた感想だった。うれしかった。うっかり忘れていた展覧会を思い出し、西高島平まで足を延ばした。丁寧な企画の展覧会だった。池袋モンパルナスで暮らした画家たちの今わかる限りのプロフィールが絵の横に簡単に紹介されていた。戦前の唯一現存する亡父の絵「水辺」を久しぶりに見た。プロフィールを見ると、「東京生まれ」とある。これは誤りだ。亡父が故意にそうしたのだろうか。しばらく逡巡してから学芸員を訪ねた。東京生まれが誤りであること、朝鮮人であったこと、正しい略歴を送ることを約束した。しばらく前に鎌倉で松本俊介と麻生三郎の展覧会をやった時と同じ写真が掲載されていた。寺田政明、麻生三郎ら5人がアトリエの前で写っている。右端のいっちょうらいの背広姿で手にタバコを挟んでいる天然パーマは亡父だ。鎌倉と同様にキャプションでただ一人名前の不明なのが亡父であった。そのことも学芸員に伝えた。若い学芸員はうれしそうだった。「マナベ先生の情報は拾えなくて……」。学芸員の言葉が耳に残った。
by komachi-memo2 | 2007-03-20 23:31 | 国立の記憶 | Comments(3)

写真展「チベット高原の子どもたち」

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チベット高原の子どもたちの教育を小学校をつくるなどの支援をしながらチベット文化を紹介しているNPOチベット高原初等教育・建設基金会が、チベットの高原の自然とそこに暮らす子どもたちの生活を紹介する展覧会を開く。ゲーサンメド小学校の建設記録や生徒たちの絵画も展示する。
●会期 4月24日→29日 am10:00→pm6:00(入場無料)
●場所 練馬区立美術館区民ギャラリー(西武池袋線中村橋駅3分)
by komachi-memo2 | 2007-03-14 08:49 | EVENT | Comments(0)

観梅と墓参り

c0042548_9271075.jpg父の墓は青梅線・御嶽の慈恩寺にある。多摩川の渓谷を見下ろす場所で高水三山の登山口になっているところだ。日曜日に一人で久しぶりに青梅線に揺られてぶらり墓参りに行った。青梅線の沿線には小さいときの思い出がつまっている。親戚の多くが疎開先だった青梅線の沿線でそのまま戦後を暮らしていたからだった。祖父母の家は宮ノ平の高台にあった。当時の宮ノ平の駅は石灰で真っ白で、生石灰を積む貨車が駅の構内にたくさん止まっていた。今も駅前に城跡のように窯の遺構が残っている。氷川の吊り橋を渡ったところでは父方の親戚が山小屋を経営していた。御嶽には母の姉家族が住んでいて、夏休みになると一月近くその家に行って川で遊んだ。強い雨も昼には青空に変わり、青梅線が軍畑辺りにかかると車窓は満開の梅でいっぱいになった。梅の花が好きな人だった。いい時に墓参りができたと思った。
by komachi-memo2 | 2007-03-13 09:30 | 国立の記憶 | Comments(0)

『手で作る本』HANDMADE BOOKMAKING

c0042548_17495610.jpg山崎曜さんの『手で作る本』は個人で作れるハンドクラフトの造本の技法書である。造本の事例が技法の解説の間に美しい写真として差し込まれている。そのなかに筑摩文庫の『トーベ・ヤンソン短編集』の表紙をはずし、プリントゴッコでクロスにスクリーン印刷してハードカバーにした事例が載っていた。確かにこういう本の愛し方もあるなと思う。
電子メディアがどんなに発達しても本というものがこの世からそう簡単になくならないと思うのは、本そのものの「もの性」のようなもの、道具を越えたある種の価値を人が感じるからだと、僕は思っている。造本の魅力、装丁の面白さは他の道具にはない本独自の「もの性」に大きく関係している。
アマゾンコムで買えるのに、わざわざ書店にしげく通うのもマスプロダクトの本の森のなかからこうした「もの性」のオーラーを強く感じる一冊の本との遭遇を期待しているところがある。
そうした本だけを目利きの書店主が選んだ本屋があったら本屋に行く楽しさは倍増するのにと思う。
●山崎 曜『手で作る本』文化出版局 定価:本体1500円
by komachi-memo2 | 2007-03-12 17:54 | BOOKS | Comments(2)

SWARO65HD

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城ヶ島に行ったその日の晩、耳元で悪魔がささやいた。
「M5とレンズを売っぱらえば済むことじゃん。どうせカビを生やすだけだぜ」
私の眼はインターネットのキョウエイバードの画面、スワロフスキーの65ミリプロミナーの叩き売りの値段に釘付けになっていた。
「ううむ、ニジュウイチマンハッセンエンか。安い……けど高いなあ……ううむ」
店頭陳列の新同品が20倍の接眼レンズ付きで通常より10万円ほど安い。その日、城ヶ島では1台のプロミナーを元さんとかわりばんこで見ているところを三鳥連のだれかが「1台では大変だ」「キョウエイで安売りをしている」とかなんとか言ったのだった。おれの弱点をよくもくすぐってくれたぜ。そのとたん押し込めていた物欲がもりもりと頭をもたげ、「そうだよな、今年の秋には二人でサシバの渡りも見ることだし、2台ないとな」と、それまで新しいプロミナーを買うのは元さんが自分で三脚をしょえるようになってからと堅く決めていたのに、買う方向へと自分を合理化するのにほんの1分もかからなかった。そして、その晩「1台限りだからな、早い者勝ちだからな」と自己合理化の上塗りをブツブツとつぶやいて、大きく1回深呼吸後、「カートに入れる」のボタンを押したのだった。
キョウエイバードの安売りスワロフスキーを指をくわえて見ていたバーダーの皆さん、悪いね、彼女は私のリュックのなかで今はスヤスヤ寝ているぜ。
by komachi-memo2 | 2007-03-09 09:13 | 道具 | Comments(3)