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カテゴリ:百の知恵双書( 25 )

齊藤さんの『集まって住む終の住処』責了

c0042548_1885411.jpg齊藤祐子さんの『集まって住む終の住処』を責了した。1年前の企画段階では、高齢者の住まいや施設をどう取り上げるか、その内容はかなり漠然としたものだった。住まいや施設の紹介記事ではなく、いつも齊藤さんが住まいを設計する時に考えていることを書けばいい、高齢者の住まいという特別なものがあるわけではないのだからと注文した。だから当然のこととして、齊藤さんは住まいとは何かを問うことになった。テーマの軸足は定まった。齊藤さんは本書の「はじめに」で、次のように書いている。
「住まいは実存の原点である。高齢になってこそ、どう生きるかを問いかけてみたい。そして、〈集まって住む終の住処〉を手がかりに、高齢者だけにとどまらず、自分の意志で住み続ける場所、街や住まい、人のつながりを見直していきたい」と。住むということは自分の居場所を自分の意思でつくることである。高齢になって自分自身を一人で見つめ直す時間が持てたとき、自分にとって必要不可欠な住まいのかたちも見えてくる。それは所謂「高齢者のための住まい」にとどまるものではないはずである。本書が彼女の渾身の住まい論になった所以である。
本書のジャケットに次のようにリードを書いた。今月末の発売。皆さん、読んでください。

自分が親の介護を考える年代になったとき、誰もが自分のこととして、
これからの人生をどこで、誰と、どう生きるか、問い始める。
今、社会制度の整備を追い越して急激に進む我が国の高齢化社会は
長寿を祝福する環境を奪い、高齢者は生活の不安を抱えている。
最期まで納得した生き方をする意思があってはじめて
自分の「終の住処」を現実に思い描くことができる。
高齢になっても活き活きと暮らすために、住まいに求められるものは何か。
多世帯家族が共同で暮らす住まいに、どんな知恵と工夫があるのか。
グループリビングやグループホームとはどんな場所なのか。
「終の住処」を地域再生の拠り所にする意味はどこにあるのか。
グループホームや高齢者のための住宅を数多く設計してきた
建築家による渾身の住まい論。

●百の知恵双書第20巻
齊藤祐子『集まって住む終の住処……自分の意思で暮らし続ける知恵と工夫』
農文協刊
発売 3月下旬
by komachi-memo2 | 2009-03-04 18:12 | 百の知恵双書 | Comments(2)

「週刊朝日」2月6日号週刊図書館

c0042548_16352945.jpg『週刊朝日』の今週発売号に百の知恵双書18巻『窓を開けなくなった日本人』が、著者の渡辺光雄さんと共に紹介されています。この本で渡辺さんは、日本の住まいの戦後の急激な様変わりとそこでの暮らしの変容を「窓を開けなくなった」ということで象徴的に言い表しています。昨今、住宅の温熱環境をめぐるフィールドから建築家たちによって、「開くことと閉じること」が住宅設計において広く論議されるようになりましたが、この問題はもちろん住み方の問題として、また地域づくりの問題にまで広げて考えるべきテーマであるわけです。もうひとつ、この本で大きく取り上げているテーマとして、日本人と床の問題があります。この問題も藤井厚二の時代から何度もたびたび住宅設計のキーテーマとして議論されてきた問題です。こうした宿題を根本から掘り下げ、試行することは住宅設計という行為そのものをきっと面白くしてくれるはずです。昨年12月7日の毎日新聞の書評欄で小泉和子さんの『日本の住宅という実験』が取り上げられ、今回、渡辺光雄さんの『窓を開けなくなった日本人』が週刊誌にとりあげられたのは、こうした問題が一般の関心事にもなってきている証拠だと思います。これらの本の編集者として、まずは目出度いことであります。
by komachi-memo2 | 2009-01-28 16:37 | 百の知恵双書 | Comments(0)

百の知恵双書19巻、色校戻し

c0042548_8243549.jpg昨日は先週末に印刷所から届いた百の知恵双書第19巻、野沢正光さんの本の色校正紙を戻す締め切り日でした。宅急便が来てくれる時間までに何とか仕事を終えることができました。色校正紙を見る時、裁落しの線を青鉛筆で引くことを私はまず最初にやります。何十枚もの校正紙に線を引くのは結構手間で、時間がない時にはやめてしまおうかと思うのですが、ずっと続けています。これは写真の裁落しのラインやレイアウトの仕上がりを確認するためなのですが、現在はレイアウトをコンピュータのモニターで確認しながら進めるので、必要のない作業なのです。それでもこれから色校を見るぞ、という始めの儀式みたいなもので、これをやらないと気持ちが悪いのです。ブックデザイナーの工藤強勝さんを私は完璧な指定紙、校正をする方として尊敬していますが、長い間いっしょに仕事をして、彼の仕事の仕方の影響をずいぶん受けました。裁落しラインの青線入れも工藤さんの影響です。
今回の19巻はすべてモノクロ頁です。文字も写真もそこそこあるこの双書で、いつも色校で気にしているのはモノクロ写真のアンダー部分の階調の上がりです。モノクロ写真の美しさはこのアンダー部分の階調にあるのですが、なかなかこれが難しい。まずは紙の問題があります。文字の読みやすさを考えると、コート系の紙よりもある程度しっとりした紙を使いたい。しかしそうすると、インクを吸うのでつぶれやすくなります。コストの問題がなければ優秀な紙はあるのですが、紙代は高騰しており、もうほとんど選択の余地がありません。この双書は3回も紙を変えています。もう一つは写真原稿のアナログからデジタルへの移行です。デジカメの写真原稿は階調の乏しいコントラストの強い仕上がりになりがちです。そして、さらに問題を難しくしているのは、入稿原稿が紙焼き、デジタル、ポジフィルムといろいろあることです。原稿の種類によって印刷所での製版は分業されますから現場の判断で仕上がりにも違いが出てきます。デジタル全盛ですが、今のところ、入稿データの種類ではまだポジフィルムが一番きれいに仕上がるようです。紙焼きの写真の製版が昔と較べて、安定しなくなったように思います。今回の野沢本の色校がどうだったかと言えば、全体的にはかなりよく出ていました。ポジはほぼ合格、紙焼き原稿は濃度、コントラスト共にやや弱く、デジタル実データはつぶれぎみです。さて、仕上がりでどこまでこちらの希望がかなうでしょうか。完成までもう少しです。
by komachi-memo2 | 2009-01-27 08:40 | 百の知恵双書 | Comments(0)

百の知恵19巻入稿

c0042548_17432614.jpg1月ぶりのBLOGである。正月返上で、ようやく百の知恵19巻のデータを入稿できる。野沢正光さんの本である。野沢さんはこの本で火の変遷史を軸にパッシブソーラーの誕生とこれからの可能性を述べている。発刊は2月末。メールでの野沢さんとのやりとりでも野沢さんは「真鍋本」といい、私は「野沢本」と呼ぶ。この本の性格と位置を自ずから物語る。表紙は百の知恵第2巻と同じ杉田比呂美さんにお願いした。野沢さんは本文の最初で地熱利用の竪穴住居に光をあてている。そのことを杉田さんらしいイラストにしてくれた。図版が多く、事務所の床は資料で埋まっていたが、ようやくこれで片付けることができる。
by komachi-memo2 | 2009-01-14 17:46 | 百の知恵双書 | Comments(0)

『「日本の住宅」という実験——風土をデザインした藤井厚二』見本届く

c0042548_8294457.jpg百の知恵双書・第18巻の入稿を2日後に控えた日、第17巻の見本紙が段ボールで3箱届く。見本紙の封を開ける時は、何十年本づくりをやっていても、期待と不安が交差する。印刷については数日前に必ず刷り見本が送られてくるので、事前に確認できるが、製本されたものを見るのはこの時が初めてなのである。しばらくなめ回すように見て、一安心。第17巻は小泉和子さんの藤井厚二論『「日本の住宅」という実験——風土をデザインした藤井厚二』だ。DTP入稿のため、いつも入稿前の2,3週間はカレンダーを眺めながらの体力勝負だが、今回はスケジュールがタイトできつかった。連日、ゲラを小泉さんに宅急便で送り、二日後には戻ってくるという繰り返し。小泉さんもさぞ疲れたことだろう。写真家・三沢博昭さんが広瀬鎌二先生たちと30年ほど前に撮影した聴竹居の写真をずいぶん前から預かっていた。今回、その写真を使うことができた。日曜日、闘病生活をしている三沢さんに本を手渡すことができた。
by komachi-memo2 | 2008-10-29 08:38 | 百の知恵双書 | Comments(2)

松井郁夫さんの『「木組」でつくる日本の家』4月上旬発刊

c0042548_17315155.gif百の知恵第16巻『「木組」でつくる日本の家』が数日前に印刷所から届く。今日は朝から発送業務。色校時に心配していた写真上の白い黴のようなピンホールはきれいになくなっていてホッとする。しかし、インクを吸う嵩高の用紙とアンダー部に階調の少ない写真データでは写真のアンダー部はどうしてもつぶれてしまう。色校紙にかなり無理な要求を書いたが、これが限界なのだろう。紙の質感、コスト、束厚などを考慮すると本文用紙の選択肢はかぎりなく狭い。16巻の建築写真原稿の多くはデータ入稿である。今でもポジ原稿のほうが仕上がりが確実にシャープで階調のある状態に仕上がるのだが、デジカメ全盛のご時世、ポジ原稿の比率は減るばかりである。プロラボの軒並み閉鎖も写真家からよく聞かされている。特殊な例や古い写真を除いて、ここ数年の間に写真原稿のほぼすべてがデジタル化するのかもしれない。『「木組」でつくる日本の家』が本屋に並ぶのは4月の上旬から。

●松井郁夫著『「木組」でつくる日本の家』(百の知恵双書第16巻)
農文協刊 2800円

■新建材で覆い尽くされ、三〇年そこそこでゴミにされてしまう
国籍不明の今どきの日本の住まい。
かつて日本の家は近くの山の木を使い、
大工が木と木を組んで丈夫な架構の長寿命の家をつくっていた。
それが美しい町並みの景観となっていた。
古民家の骨組みはどのように合理的なのか。
開放的で耐震的な家づくりの秘密はどこにあるのか。
気候風土に根ざした長寿命の家づくりとはどんな家づくりのことか。
古民家に学んだ家をつくることが、山と職人と住まい手をつなげ、
荒れた日本の山々を再生させることにつながる。
これからの「日本の家」づくりのありかたを伝える実践の書。
■主要内容
第1章 木組が支えた日本の家
 民家の木組に学ぶ 合理的な古民家の架構 開放的で耐震的な家づくり 水と火と木造住宅 豪雪地帯の町家再生 「日本の家」を取り戻そう
第2章 「木組の家」づくりと設計者
 家づくりと設計者の役割 気候風土に根ざした家 家づくりと地域景観 「こだわり」の整理学 設計者の小さなメディア 
第3章 住まい手と山と職人をつなぐ
 家づくりを山づくりにつなげる ワークショップ「き」組の家づくり 木組は人組——木組でつくる「日本の家」

by komachi-memo2 | 2008-03-28 17:40 | 百の知恵双書 | Comments(0)

百の知恵双書第16巻責了

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第15巻小泉和子編著『家で病気を治した時代』と並行して進めていた松井郁夫さんの第16巻『「木組」でつくる日本の家』がようやく責了。3月末刊行を農文協と約束していたが、正月休み返上でなんとか間に合うことができた。やれやれ。
by komachi-memo2 | 2008-03-05 11:52 | 百の知恵双書 | Comments(0)

小泉和子編著『家で病気を治した時代——昭和の家庭看護』校了

c0042548_14345049.gif百の知恵双書15巻の付き物色校正紙が今日届いた。第6巻小泉和子『洋裁の時代』と同じくジャケットは峰岸達さんにお願いした。カバー裏のリードに次のように書いた。
「昭和戦前期はもっとも家庭看護の発達した時代だった。氷枕、氷嚢、体温計、吸入器、浣腸器は多くの家庭にあった。切り傷にドクダミ、腫れ物にツワブキ……民間療法の知識も豊富だった。ひとたび家族のだれかが病気になれば家族が力を合わせて看病し、病気と闘った。産婆も町医者も按摩も鍼灸師もそれを助けた。家のなかで人の生死に向き合うことでいのちの尊さとそれを守ることの難しさを痛感した時代であった。
医療の充実を願うことは病気を人まかせにすることではない。病気も生も死も自分のこととして立ち向かった時代から学ぶものは何か。」

●百の知恵双書第15巻 
小泉和子編著『家で病気を治した時代——昭和の家庭看護』
●主要内容
第1章 家で病気を治した時代——都市と農村にみる家庭看護 
 都市にみる家庭看護の最盛期 
 農村に多い病気と治療 
第2章 変わりゆくお産のかたち 
 出産——妊娠から産湯まで 
 助産師と消えゆく自宅分娩 
第3章 怖れられた病気——結核と急性伝染病 
 「国民病」と呼ばれた結核 
 猛威をふるった急性伝染病 
第4章 家庭看護と人 
 派出看護婦と保健婦 
 按摩と鍼灸師 
[コラム]家庭看護の七つ道具/配置家庭薬と家庭常備薬/生活の知恵として普及した民間療法/町のお医者さん/駒込病院雑詠/町のハイカラだった医院建築 
●発行 農文協
●発行日 2008年2月1日
by komachi-memo2 | 2007-12-22 14:39 | 百の知恵双書 | Comments(1)

15巻ようやく入稿

 ようやく百の知恵15巻の入稿が済んで、色校を見る段階になった。15巻は小泉和子編著の「家で病気を治した時代——昭和の家庭看護」だ。今回の編集ではまだ暑い盛りに、12年ぶりで藤沢の中田先生を訪ねた。中田先生は助産師。私の二人の子どもはいずれも連れ合いが自家で生んだが、長女は中田先生のお母さんの伊井先生が、長男は中田先生が取り上げてくれた。12年前でも家で出産するのはごくまれであったが、今日では1000人に1人いるかどうかである。一方で、医者が足らず産気づいた妊婦が産婦人科をたらい回しになるといったことが最近では起こっている。小泉さんとの対談を引き受けてくれた記録映画監督の時枝俊江さんの佐久病院の話も印象に残った。
 医療の充実を望むことは病気をひとまかせにすることではない。ひとまかせにすればいずれ医療は患者のものでなくなる。
 これが今巻のテーマである。マイケル・ムーア監督「シッコ」の世界も決してよその国のことではなくなってきている。
by komachi-memo2 | 2007-12-20 20:18 | 百の知恵双書 | Comments(2)

『仕舞える住まいの収納学』発刊

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百の知恵双書第14巻・山口昌伴著『仕舞える住まいの収納学——ゴタゴタ病根本治療の処方箋』が完成。モノ溢れ、片づけても片づけても片づかない日本の住まい。日本の住まいはなぜ片づかないか。ショウバン先生の収納からみた日本の辛口住文化論である。表紙や本文中のイラストは古くからの友人、陸にあがってしまったヨットマン・松本徹さんの手をわずらわせた。今巻から本文用紙をハミングに変えた。写真印刷の仕上がりが今一つ心配だったが、まあ合格か。この秋、紙代が軒並み値上がりし、選択の余地がなくなっている。
by komachi-memo2 | 2007-11-03 14:25 | 百の知恵双書 | Comments(0)