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カテゴリ:かたちの不思議( 44 )

どちらがきれい? どちらが好き?

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林道に入る途中の車道脇の崖陰に、3つほど見事に咲いたヤマユリの枝がうち捨てられていた。誰か心ない者が林道でヤマユリを見つけ折って持ち帰ろうとしたが、林道を出たところで人目をはばかって捨ててしまったのだろう。
 ヤマユリが支柱に支えられて民家の庭先に咲いているのを私は美しいと思わない。それよりも山の鬱蒼とした藪のなかにヤマノイモなどの蔓草に支えられ、あのあでやかな花を咲かしているほうが何倍もきれいだ。
 林道にはヤマユリと対照的なウバユリも今が盛りだ。こちらは茎は太く、どういうわけか蔓草がからまっているのを見たことがない。すくっと立った茎に直角にうす黄緑かかった清楚な花を咲かす。雄しべの長さがすこしずつ違うのは花が水平に咲くために、虫による受粉の効率を上げるためではないかと思う。花に顔を近づけて香りをかいでもむせるような強い香りではなく、控えめな香りである。
 派手で誰かがついてないと倒れてしまう花とさっぱりしていて自立心が強い花。どちらも美人なのだが、多くの人は前者にばかり目がいくようだ。
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by komachi-memo2 | 2014-07-22 07:30 | かたちの不思議 | Comments(0)

アカメガシワはなぜ赤い

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白いシャクの群落のなかにアカメガシワの新葉が伸びていた。鮮やかな赤だ。「この赤は擦ると落ちるんですよ」と教えられたのは、最近のこと。「へえーそうなんだ!」。よく見ると、葉の色に見えていたのは葉に生えた赤い産毛だった。擦ってみると垢が落ちるように産毛は落ち、新緑色が現れた。赤い幼葉も光合成はしっかりやっとるわけだ。赤い産毛はなぜ生えているのだろう。調べてみると、柔らかな幼葉をムシャムシャと食べる虫たちから守るためだった。では赤いのはなぜか。昆虫たちには赤色領域は感知できないらしい。さらに日光の赤色波長部分だけをカットすることで、過剰に葉の表面温度が上がるのを防ぐ目的もあるという。そうやって幼い葉を保護している。自然のデザインはほんとによくできている。
by komachi-memo2 | 2014-05-01 23:38 | かたちの不思議 | Comments(0)

食べられる花、食べられない花

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6日に見た花の続きです。シャク。ヤマニンジンという別名があります。確かに葉がニンジンのようで実際におひたしになります。調べてみると、根には解熱や鎮痛の効能があるようです。湿った日陰を好む派手ではない花ですが、趣のある花だと私は思います。あまりカメラを向ける人はいませんが、好みです。女の人にもこういう人って、いますよね。
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マイフィールドの林道で目にするのは、ほとんどがムラサキケマン。キケマンは珍しい。ムラサキケマンとキケマン、いずれもアルカロイド系の毒草。中毒症状は嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺と図鑑にある。なんかこちらもおひたしにしたらおいしそうなんだけれど危ない、危ない。
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田起こし前の棚田は一面タネツケバナ。ヤマアカガエルの合唱が響いていました。

E-M5, M.ZD60mm macro
by komachi-memo2 | 2014-04-10 23:11 | かたちの不思議 | Comments(0)

グリーンのスプーンに乗った小さな種

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グリーンのスプーンに乗った小さな種たち。花の終わったヤマネコノメソウの拡大写真だ。
植物は種子を旅させるために様々な工夫をする。風に乗せるもの、鳥に運んでもらうもの、虫にご褒美をあげて運んでもらうもの、自らの工夫ではじけるもの。ではこのヤマネコノメソウはというと、このスプーンに水滴が命中するのを待っている。私はそのことを最近知って、「なるほど!」と思った。水道の蛇口の下にスプーンを置いて、水を流せばスプーンで跳ね返った水は薄い水膜をつくって四方に飛ぶ。ヤマネコノメソウの種子もグリーンのスプーンを利用して水の水膜に乗って遠くに飛ぶことができるのだろう。ネコノメソウの仲間は日本には14種類あると図鑑に書いてあった。マイフィールドの林道でも、4月上旬のこの時期、4種類ほどのネコノメソウの仲間を見ることができる。
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ヤマネコノメソウ
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イワボタン

E-M5+M.ZD60mm macro
by komachi-memo2 | 2014-04-08 22:24 | かたちの不思議 | Comments(0)

見事なドライフラワー

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夏の間だけ使われていた近所の保養施設が壊されて2年。その敷地はあっという間に草が繁茂して自然に戻ってしまっている。今の季節はアメリカセンダングサとセイタカアワダチソウの見事なドライフラワーが見られる。どちらも人為的に持ち込まれた植物だから今見ているこの風景はまさに現代の自然なんだと、当たり前のことを妙にあらためて納得したしだい。
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E-M5、M.ZD60mmf2.8
by komachi-memo2 | 2014-01-23 19:45 | かたちの不思議 | Comments(0)

冬のフランクフルトソーセージ

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わたしが住む葉山には湿地帯はないが、谷津田の昔田んぼだったところに、わずかにガマがまだ生えている。この時期は結実した雌花から穂綿がほぐれて風に飛ばされているのを見ることができる。その一本一本の穂の表情が面白く、見ていて飽きない。フランクフルトソーセージのように見えるのが雌花の部分で、その先にあった雄花は風に飛ばされて、もう茎だけになっている。フランクフルトソーセージの手触りはまさに別珍のようになめらかで、昔から触るのが好きだった。雌花は茎に対して、立錐状に並んで、あのソーセージを構成している。雌花が結実すると、冠毛をもった果実は乾燥と共に空気膨張し、圧力が限界に達すると綿状に崩れ出す。以前、家の中に持ち込んで、ほぐしていたら収集がつかなくなって、家族に叱られた。このソーセージの断片を取り、種子の数を数えて、ソーセージを円柱に見立てて、一つの穂の果実の数を概算すると、なんと100万〜200万個にもなるらしい。ガマは蒲と書く。昔は蒲団の綿に利用したのかもしれない。いったい1枚の蒲団にどれだけの蒲の穂が必要だったのだろう。
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D300+AF-S NIKKOR300mmf4D、E-M5+M.ZD60mm macro
by komachi-memo2 | 2014-01-18 17:52 | かたちの不思議 | Comments(2)

不思議な種子、美しい種子

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 冬の林道を歩くと、薄暗い朽ちた倒木の上にもたれかかるように不思議なかたちをした物体があった。近づいてよく見ると、足下のかすかな気流に乗って、その物体からタバコの煙のようなものが漂っている。クロヤツシロランという腐生ランの果実だ。煙のように見えたのは種子で、2ミリほどの綿クズ状の種子が割れた果実にびっしり詰まっている。このクロヤツシロラン、名前から美しい姿をイメージするが、秋にロゼット状に咲く花はまるでキノコのようで、枯葉色の肉厚のぶよぶよしたものが地面すれすれに顔を出す。花期が終わると、種子を飛ばすのに具合がいいように花枝をニョキニョキと伸ばし始めるが、林道を歩いていて、このランに気が付くのはこの時期からである。花がキノコに似ているのも道理で、このランが生きていくにはシックイダケというキノコが不可欠である。キノコが倒木から分解した栄養をこのランはいただいているのだ。倒木の近くで、このランを見つけるのもそのためである。
 倒木の内部をはちきれんばかりにシックイダケの菌糸が覆い、その菌糸めがけて、ランの細い根がのび、絡みついていく。音もなく流れるかすかな種子を見ながらそんなことを想像してみる。

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 林道を歩きながら鳥の羽根を探していると、うっかり拾ってしまうのがこのテイカカズラの種子だ。この種子、遠見では鳥の白い胸羽根にとても似ている。初夏にプロペラのような白い花を咲かせたテイカカズラの果実は、林道の頭上に地面に突き刺さらんばかりに垂れ下がる。秋に果実が乾燥すると、あらかじめ捻れた果実のプレストレスは解放され、裂けた果実からたたまれた落下傘のように種子が、林道一面に落ちてくるのだ。

E-M5、M.ZD60mm macro

追加訂正 ブログを見られたクロヤツシロランの研究者yonasanから共生しているキノコはDNA鑑定の結果、シックイタケではないことがわかったという指摘を受けた。菌と共生関係にあることは間違いないが、菌の種類は今のところ不明のようです。よって、ここに訂正します。
by komachi-memo2 | 2014-01-09 23:12 | かたちの不思議 | Comments(5)

寒の花

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目覚ましで6時に目覚めると、ブラインドの隙間から隣家の屋根を見る。なあんだ、つまらない。霜が降りていない。霜を着た景色を撮りたかったのに。気を取り直して、食事を済ませて、大山林道に行く。今年始めての林道歩き。林道に入って間もなく、ルリビタキが目の前を横切り、ブッシュの下に移動する。今年は冬鳥が少ない気がする。シロハラ、ウソの声を聴いたのは一度きり。林道終点から南股に入り、ホソミオツネントンボを探すが見つからず。今日は寒の入り。花のない季節だが、林道で美しいものは事欠かない。しかし、一脚を持たずに家を出たので、撮った写真はピンぼけばかり。
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D300、Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
by komachi-memo2 | 2014-01-05 16:36 | かたちの不思議 | Comments(0)

早朝の田んぼ

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ガマやススキ、アメリカセンダングサが霜をまとっている姿を見たくて、朝早く近くの田んぼに寄ってみる。この時期にはいつもカシラダカが見られたところだが、数年前から周囲をじわじわと新築住宅に囲まれ、もう見ることがない。写真を撮り出すと近くで犬が吠えだした。顔見知りの女性が犬の調教をしている。犬の気が散ってしまっては申し訳ない。次はもう30分早く来よう。
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D300、Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
by komachi-memo2 | 2014-01-02 09:44 | かたちの不思議 | Comments(0)

ニリンソウとトリカブト

定例の探鳥会で大山林道を歩くと、林道脇の日陰にようやくニリンソウが埋めつくすように白い花をつけている。4月に入り、林道の春の野草はいっせいに開花し、目を楽しませてくれる。マルバコンロンソウ、ヤマルリソウ、ムラサキキケマン、ミヤマキケマン、ナツトウダイ、キランソウ、コスミレ、タチツボスミレ、ヤマネコノメソウ、イワボタン、ツルカナコソウなどなど。オオルリやセンダイムシクイなど春の鳥のさえずりを聞きながら歩くこの時期が、一年のうちで最も林道歩きが楽しい時だ。

ニリンソウ

最近の新聞に、函館でトリカブトをニリンソウと間違えて食べた男性二人が死亡したという記事が載っていた。ニリンソウはシドケとよばれておひたしにして食べられる。まさか花が咲いていれば誤食することはないだろうが、トリカブトもニリンソウも同じキンポウゲ科の植物で、葉の形は確かに似ている。そのためトリカブト誤食の事故は毎年のように後を絶たないが、そんなにそっくりだろうか。大山林道でもトリカブトは簡単に見つかる。下の写真がトリカブト。二つの立ち姿はずいぶん違うのにと思う。ニリンソウは地を埋めて這うように、トリカブトは株ごとに立つように。

トリカブト
by komachi-memo2 | 2012-04-16 23:53 | かたちの不思議 | Comments(1)