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2006年 10月 09日 ( 2 )

お菊虫

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↑ジャコウアゲハのサナギ
峯山でキブシの木に動かなくなったジャコウアゲハの最終齢の幼虫を見つけてから1週間後、その木を見ると、見事なサナギになっていた。「まあ、きれい!」と昆虫好きの女性が感嘆の声を上げるが、ぼくはこの不思議な生き物をきれいと表現できずに黙っている。いっしょにいた我がバーダー仲間のリーダーの一人、鈴木茂也さんがお菊虫という別名があることを教えてくれた。番町皿屋敷のお菊が後ろ手に縛られた姿に似ているところから付けられた名前らしい。ぼくにはその姿を想像できないが、命名した人の気持ちはわかるような気がする。身近な生の姿と違う生々しい別の生の姿に出会ったときの名状しがたい怖さのようなもの、「お菊虫」という名前にはそんな気分がある。サナギは不思議なものだ。鳥の食圧から逃れるために昆虫たちはたくさんの卵を生まなければならない。しかし、親のもつ養分は限られている。だから一つの卵に与える養分を少なくし、なかばむりやり世間に出し(それが幼虫)、後の食い物は子供たちに任せる戦略が完全変態だ。サナギの状態で腹部の足はなくなり、羽の準備をする。お菊さんは来年の春までどんな夢を見ているのだろうか。
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↑ジャコウアゲハの最終齢の幼虫
by komachi-memo2 | 2006-10-09 21:13 | かたちの不思議 | Comments(0)

嵐のあとのタカの渡り

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↑峯山上空を通過するサシバ。
先週の大型の低気圧が各地で船を座礁させながら、太平洋岸を北上して関東地方を去っていった6、7日の葉山の海の視界は抜群に良かった。朝、峯山に登ると、東京湾の向こう房総半島の家並みまで間近に見え、東京湾沖に嵐を避けて停泊していた大型のタンカーやコンテナ船があちこちに見えた。普段は雲に隠れて見えない三宅島も大島の左に見える。
雨が大気中のほこりと水蒸気を洗い流すと、こんなにも視界が違う。ニューヨークで9.11のテロがあった年の夏、イランにいて、雲一つない砂漠で夜を待って星を見ようとしたことがあった。砂漠で満天の星を眺められると期待したが、それは無理だった。雨の降らない砂漠では大気中のほこりはいつまでも漂ったままで、ぼんやりした星空しか見えないのだった。地球上に生きとして生きるものの源が、この水蒸気と雨の大気循環による熱廃棄にあることを気持ちのいい景色を見ながら思う。
満を持して嵐の去るのを待っていたサシバやハチクマが、葉山の上空高く北西に渡っていった。6日は朝から正午過ぎまでで110羽、7日は朝から夕方までで350羽を超えた。炎天下、上空を観察するどの顔も赤黒く焼け、首筋には双眼鏡のバンドの跡が白く付いた。
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↑峯山から城ヶ島方向を見る。右が大島。
by komachi-memo2 | 2006-10-09 00:52 | 気持ちのいい場所 | Comments(0)